助動詞の分類

要点確認
助動詞の3要素
助動詞は、次の3要素に注目する。
 ①接続……どんな活用形に付くか。
 ②活用……どのように語形が変化するか。
 ③意味……どんな意味を持つか。
助動詞の接続による分類
未然形る・らる・す・さす・しむ・む・むず・まし・ず・じ・まほし
連用形き・けり・つ・ぬ・たり(完了)・けむ・たし
終止形らむ・べし・らし・めり・なり(伝聞)・まじ
連体形・体言なり(断定)・たり(断定)・ごとし
特殊(注)
サ変動詞の未然形と四段動詞の已然形。
助動詞の活用による分類
動詞型四段型む・らむ・けむ
下二段型る・らる・す・さす・しむ・つ
サ変型むず
ナ変型
ラ変型けり・たり(完了)・り・めり・なり(伝聞)
形容詞型ク活用型べし・たし・ごとし
シク活用型まじ・まほし
形容動詞型なり(断定)・たり(断定)
特殊型き・まし・ず
無変化型らし・じ
助動詞の意味による分類
過去き・けり
完了つ・ぬ・たり・り
受身・自発・可能・尊敬る・らる
使役・尊敬す・さす・しむ
推量む・むず・らむ・けむ・べし・まし・らし・めり
伝聞推定なり
打消
打消推量じ・まじ
断定なり・たり
希望まほし・たし
比況ひきょうごとし
伝聞推定の「なり」と断定の「なり」、完了の「たり」と断定の「たり」を区別する。
解説

助動詞の3要素

助動詞は、活用がある付属語であり、動詞などに接続していろいろな意味をえる働きをします。🔗単語の分類と品詞
助動詞を学ぶ際は、次の三つの要素に注目します。
接続……どんな活用形に付くか。
活用……どのように語形が変化するか。
意味……どんな意味を持つか。
助動詞の意味(=働きの名前)は、その訳し方とあわせて覚えましょう。
たとえば、助動詞「き」の意味は過去ですが、現代語に訳すときには〈~た〉と訳します。🔗「き・けり」

助動詞の接続による分類

助動詞は、右に述べた接続・活用・意味の三つの要素によって分類することができます。
まずは、接続による分類からです。
一つひとつの助動詞は、どのような活用形に付くか(接続のしかた)が決まっています。🔗語の活用と活用形
助動詞をその接続によって分類すると、次の表のようになります。
〔表〕助動詞の接続による分類
接続助動詞
未然形る・らる・す・さす・しむ・む・むず・まし・ず・じ・まほし
連用形き・けり・つ・ぬ・たり(完了)・けむ・たし
終止形
ラ変型は連体形(注1)
らむ・べし・らし・めり・なり(伝聞)・まじ
連体形・体言なり(断定)・たり(断定)・ごとし(注2)
特殊(注3)
注1終止形接続の助動詞は、ラ変型の活用語に付くときはその連体形に付く。
注2ごとし」は、助詞「の・が」にも接続する。🔗「ごとし」
注3」は、サ変動詞の未然形四段動詞の已然形(命令形)に接続する。🔗「たり・り」
助動詞の接続は、接続の種類ごとに全部まとめて覚えてしまうほうが効率的です。
未然形接続は「る・らる・す・さす・しむ・……」、連用形接続は「き・けり・つ・ぬ・たり・……」というように暗唱できるようにしましょう。
また、「り」の接続は、「かちゃん」の語呂合わせで覚えることができます。
接続は重要なので、頑張って覚えましょう。

助動詞の活用による分類

助動詞は活用がある(形が変化する)語ですが、活用のしかたは助動詞ごとに異なります。🔗語の活用と活用形
助動詞の多くは、用言(動詞・形容詞・形容動詞)と同じような活用をします
助動詞を活用によって分類すると、次の表のようになります。
〔表〕助動詞の活用による分類
活用助動詞
動詞型四段型む・らむ・けむ
下二段型る・らる・す・さす・しむ・つ
サ変型むず
ナ変型
ラ変型けり・たり(完了)・り・めり・なり(伝聞)
形容詞型ク活用型べし・たし・ごとし
シク活用型まじ・まほし
形容動詞型なり(断定)・たり(断定)
特殊型き・まし・ず
無変化型らし・じ
どの助動詞がどの活用の型に当てはまるかを覚えるときは、助動詞と用言の形の類似性に着目しましょう。
たとえば、ラ変動詞(「あり」など)は終止形が「り」で終わるので、同じように「り」で終わる助動詞がラ変型に分類されます。🔗動詞―ラ行変格活用
また、形容詞は「し(じ)」で終わるので、形容詞型に分類されるのは「し(じ)」で終わる助動詞になります。🔗形容詞―ク活用とシク活用

助動詞の意味による分類

助動詞は、その代表的な意味によって、次の表のように分類されます。
たとえば、「き」や「けり」を「過去の助動詞」といったり、「ず」を「打消の助動詞」といったりすることがあります。
このように「〇〇の助動詞」というときは、助動詞の意味による分類のなかでの種類を指しています。
〔表〕助動詞の意味による分類
意味助動詞
過去き・けり
完了つ・ぬ・たり・り
受身・自発・可能・尊敬る・らる
使役・尊敬す・さす・しむ
推量む・むず・らむ・けむ・べし・まし・らし・めり
伝聞推定なり
打消
打消推量じ・まじ
断定なりたり
希望まほし・たし
比況ごとし
伝聞推定の「なり」と断定の「なり」、また、完了の「たり」と断定の「たり」を混同しないように注意しましょう。
伝聞や完了の「なり・たり」と断定の「なり」「たり」とでは、接続も活用も別々になります。🔗「なり(伝聞・推定)」🔗「つ・ぬ」🔗「なり・たり(断定)」