「なり(伝聞・推定)」

要点確認
「なり」の意味
伝聞でんぶん〈~という(ことだ)・~そうだ〉他人から伝え聞いた事柄。
(例)亡くなり給ひぬなりお亡くなりになったそうだ
推定すいてい〈~ようだ〉耳で聞いたことからの推測。
(例)過ぎぬなり過ぎ去っていったようだ
「なり」の活用
なり」の活用……ラ変型
基本形未然形連用形終止形連体形已然形命令形
なりなりなりなるなれ
「なり」の接続
らし」の接続……終止形接続(ラ変型活用語には連体形接続)
解説

「なり」の意味

なり」には、伝聞・推定の助動詞と断定の助動詞の2種類があります。
このページでは、伝聞・推定の「なり」を解説します。🔗「なり・たり(断定)」

(一)伝聞

伝聞でんぶんは、他人から伝え聞いた事柄であることを表し、〈~という(ことだ)・~そうだ〉と訳します。
侍従じじゅうの大納言の御女おんむすめ、亡くなり給ひぬなり。(更級)
……お亡くなりになったそうだ

(二)推定

「なり」の推定すいていは、耳から得た情報にもとづいて推測することを表し、〈~ようだ〉と訳します。
ふつう〈~ようだ〉と訳しますが、訳さないときもあります。
笛をいとをかしく吹き澄まして、過ぎぬなり。(更級)
……過ぎ去っていったようだ
伝聞・推定の「なり」は、「あり」を語源とし、耳で聞いたこと(聴覚情報)からの推測を表します。🔗「めり」
これに対して、断定の「なり」は「に(格助詞)+あり(ラ変動詞)」が変化した形であり、別の助動詞であることに注意しましょう。🔗「なり・たり(断定)」

「なり」の活用

「なり」は、動詞のラ行変格活用と同じ活用をします(ラ変型)。🔗動詞ーラ行変格活用
〔表〕「なり」の活用表
基本形未然形連用形終止形連体形已然形命令形
なりなりなりなるなれ

「なり」の接続

「なり」は、活用語の終止形に付きます。
ただし、ラ変型活用語に付く場合は、その終止形ではなく、連体形に付きます。
ラ変型活用語とは、ラ変動詞、形容詞、形容動詞、ラ変型の助動詞をまとめた言い方です。