動詞―上一段活用

要点確認
上一段活用とは
上一段活用かみいちだんかつようイ段音(i)だけで変化。
未然形連用形終止形連体形已然形命令形
―i―i―iる―iる―iれ―iよ
(例)着(ki)ず
着(ki)たり
着(ki)る。
着(ki)るとき
着(ki)れども
着(ki)よ。
注基本的に語幹と活用語尾の区別はない。
上一段活用の動詞
・上一段活用の動詞……「着きる・似にる・煮にる・干ひる・見みる・射いる・鋳いる・居ゐる・率ゐる」
解説

上一段活用とは

上一段活用かみいちだんかつようとは、五十音図のイ段(i)だけで変化するような動詞の活用のしかたをいいます。
未然形連用形終止形連体形已然形命令形
―i―i―iる―iる―iれ―iよ
五十音図の上の方の一つの段で活用するので、「上一段」活用といいます。
例として、「着きる」の活用を見てみましょう。
(未然形)きず
(連用形)きたり
(終止形)きる。
(連体形)きるとき
(已然形)きれども
(命令形)きよ。
「着る」という動詞は、
  き・き・き(る)・き(る)・き(れ)・き(よ)
というように、すべてカ行のイ段という一つの段で活用していることがわかります。
行ア段イ段ウ段エ段オ段
カ行か-aき-iく-uけ-eこ-o
つまり、「着る」は、カ行上一段活用の動詞です。
活用の種類を問われた場合、「○行上一段活用」というように、活用する行も付け加えて答えます。
右の例に挙げた「着る」の活用は、語幹と活用語尾を区別していません。
このように、上一段活用の動詞には語幹と活用語尾の区別がないということを押さえておきましょう。
もっとも、「顧かへりみる・用もちゐる」などの複合語ふくごうごには、語幹と活用語尾の区別があります。

上一段活用の動詞

上一段活用の動詞には、次のようなものがあります。
上一段活用の動詞
【カ行】着きる
【ナ行】似にる/煮にる
【ハ行】干ひる
【マ行】見みる
【ヤ行】射いる/鋳いる
【ワ行】居ゐる/率ゐる
※「い」と「ゐ」の違いに注意。
上一段活用の動詞は、数が少ないので全部覚えましょう。
よく使われる語呂合わせとして、「ひいきにみゐ・る(見入る)」あるいは「きみにいゐひ(君にいい日)・る」といったものがあります。
上一段活用の動詞には、右に列挙したもののほかにも、「顧かへりみる・試こころみる・用もちゐる・率ひきゐる」などがあります。
「顧みる・試みる」は「見る」の複合語、「用ゐる」は「居る」の複合語、「率ゐる」は「率る」の複合語です。🔗文・文節・単語
上一段活用の動詞の活用表を、各行ごとに示しておきます。
〔表〕上一段活用の動詞
行例語語幹未然形連用形終止形連体形已然形命令形
カ着きる○きききるきるきれきよ
ナ似にる○にににるにるにれによ
ハ干ひる○ひひひるひるひれひよ
マ見みる○みみみるみるみれみよ
ヤ射いる○いいいるいるいれいよ
ワ居ゐる○ゐゐゐるゐるゐれゐよ
主な用法―ず―たり言い切る―とき―ども命令で言い切る
右の活用表で語幹の欄らんが「○」になっているのは、語幹と活用語尾の区別がないことを表しています。