「めり」
要点確認
「めり」の意味
推定〈~ようだ・~ように見える〉目で見たこと(視覚情報)からの推測。
(例)花奉るめり。〈花をお供えするようだ。〉
婉曲〈~ようだ〉目で見た事柄からの推測。
(例)同じ所に居ぬめり。〈同じところに座ったようだ。〉
「めり」の活用
・「めり」の活用……ラ変型
| 基本形 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| めり | ○ | (めり) | めり | める | めれ | ○ |
「めり」の接続
・「めり」の接続……終止形接続(ラ変型活用語には連体形接続)
解説
「めり」の意味
「めり」は、推量の助動詞で、次のような意味を持ちます。
(一)推定
「めり」の推定は、目で見た事柄にもとづいて推測することを表し、〈~ようだ・~ように見える〉と訳します。
簾すこし上げて、花奉るめり。(源氏)
〈……花をお供えするようだ。〉
「めり」は、「見あり」が変化して助動詞となったものと考えられます。
したがって、目で見たこと(視覚情報)からの推測を表すときに使われます。
これに対して、伝聞・推定の「なり」は、「音あり」を語源とし、耳で聞いたこと(聴覚情報)からの推測を表します。
(二)婉曲
婉曲は、確実なことをあえて断定を避けて遠回しに言うことを意味します。
ふつう〈~ようだ〉と訳しますが、訳さないときもあります。
嫗と行き会ひて同じ所に居ぬめり。(大鏡)
〈……同じところに座ったようだ。〉
「めり」の活用
〔表〕「めり」の活用表
| 基本形 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| めり | ○ | めり | めり | める | めれ | ○ |
「めり」の接続
「めり」は、活用語の終止形に付きます。
ただし、ラ変型活用語に付く場合は、その終止形ではなく、連体形に付きます。
ラ変型活用語とは、ラ変動詞、形容詞、形容動詞、ラ変型の助動詞をまとめた言い方です。
「めり」がラ変型活用語の連体形(「—る」)に接続する場合、撥音便になって「―ンメリ」と発音することが多くなります。
そして、平安時代には「ん」は表記されないことがふつうなので、「ん」が省略された形になります。(その場合でも、読むときには「ン」を補って読みます。)
(例)ある+めり→あんめり→あめり(アンメリ)
(例)なる+めり→なんめり→なめり(ナンメリ)
(例)ざる+めり→ざんめり→ざめり(ザンメリ)