■ 四段活用とは
四段活用……活用語尾が4段の音(a・i・u・e)に変化。
未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
-a | -i | -u | -u | -e | -e |
(語例)「書く」「申す」「思ふ」「読む」
■ 四段活用の見分け方
四段活用の動詞は、「ず」を付けると直前がア段音(a)になる。
(例)「書く」+「ず」→「書か(ka)ず」
■ 四段活用とは
四段活用……活用語尾が4段の音(a・i・u・e)に変化。
未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
-a | -i | -u | -u | -e | -e |
(語例)「書く」「申す」「思ふ」「読む」
■ 四段活用の見分け方
四段活用の動詞は、「ず」を付けると直前がア段音(a)になる。
(例)「書く」+「ず」→「書か(ka)ず」
四段活用とは、活用語尾が五十音図の4段の音(a・i・u・e)にわたって変化するような動詞の活用のしかたをいいます。
例として、「書く」の活用を見てみましょう。
書かず (未然形)
書きたり (連用形)
書く。 (終止形)
書くとき (連体形)
書けども (已然形)
書け。 (命令形)
〔太字=語幹、赤字=活用語尾〕
「書く」の活用語尾に注目すると、
か(ka)=ア段音
き(ki)=イ段音
く(ku)=ウ段音
く(ku)=ウ段音
け(ke)=エ段音
け(ke)=エ段音
というように、カ行の四つの段にわたって活用していることがわかります。
つまり、「書く」は、カ行四段活用の動詞です。
ある動詞の活用を答えるときは、単に活用の種類の名称を答えるだけでは不十分です。
たとえば「書く」であれば「カ行四段活用」というように、活用の行も付け加えるようにしましょう。
このルールは、四段活用にかぎらず、他の活用の種類についても同じです。
*
四段活用の動詞の活用表を、各行ごとに一つずつ例を挙げて示します。
【表】四段動詞の活用表
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行 | 例語 | 語幹 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
カ | 書く | 書 | か | き | く | く | け | け |
ガ | 漕ぐ | 漕 | が | ぎ | ぐ | ぐ | げ | げ |
サ | 申す | 申 | さ | し | す | す | せ | せ |
タ | 待つ | 待 | た | ち | つ | つ | て | て |
ハ | 思ふ | 思 | は | ひ | ふ | ふ | へ | へ |
バ | 遊ぶ | 遊 | ば | び | ぶ | ぶ | べ | べ |
マ | 読む | 読 | ま | み | む | む | め | め |
ラ | 帰る | 帰 | ら | り | る | る | れ | れ |
用法 | ズ | タリ |
言い切る |
トキ | ドモ |
命令して 言い切る |
四段活用の動詞の多くは現代語では五段活用になりますが、例外もあります。
たとえば、「飽く」や「震ふ」は、古語ではどちらも四段活用ですが、現代語では五段活用ではありません。(現代語「飽きる」は上一段活用で、現代語「震える」は下一段活用)
逆に、現代語では五段活用ですが、古語では四段活用でないものもあります。
たとえば、「蹴る」は、現代語では五段活用ですが、古語では下一段活用になります。
四段活用をする動詞は、その数が多いので、すべてを覚えることはできません。
そこで、ある動詞が四段活用かどうかを見分けるには、その動詞に「ず」を付けて未然形にしてみるとよいでしょう。(「ず」は未然形に接続する助動詞)
「ず」の直前がア段音(-a)になるのであれば、その動詞は四段活用です。
たとえば、「書く」に「ず」を付けると、「書か(ka)ず」になります。
「ず」の直前がア段音になるので、「書く」は四段活用の動詞であるとわかります。
「ず」の直前の音をしらべる方法は、現代語の感覚からその語の未然形を類推する方法です。
したがって、現代語の感覚と活用がずれている語については、この方法は有効ではありません。
たとえば、「滅ぶ」や「恨む」は、現代語の感覚で「滅ばず」「恨まず」としてしまいそうですが、実は「滅びず」「恨みず」が正しい形です。(どちらも上二段活用)
また、「飽く」や「震ふ」は、「飽きず」「震えず」とするのは間違いで、正しくは「飽かず」「震はず」です。(どちらも四段活用)
次の中から四段活用の動詞を選んで、記号で答えなさい。
①飽く ②恨む ③申す ④見る
【ヒント】
それぞれの動詞に「ず」を付けて、直前の音を調べます。四段活用の動詞であれば、直前がア段音(-a)になります。
「飽く」+「ず」→「飽か(ka)ず」(カ行四段)
「恨む」+「ず」→「恨み(mi)ず」(マ行上二段)
「申す」+「ず」→「申さ(sa)ず」(サ行四段)
「見る」+「ず」→「見(mi)ず」(マ行上一段)
間違えて「飽きず」「恨まず」としやすいので注意しましょう。
①、③
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コメントをお書きください
タヌキ (木曜日, 17 5月 2018 18:46)
勉強になります。
アメイ (火曜日, 05 6月 2018 22:10)
ありがとうございます。
南風 (金曜日, 15 2月 2019 11:23)
例えば『書く』は、古文法では、4段活用ですけど、
口語文法だと5段活用になりますね。
未然形の『書こう』がありますから。
すると、古文で『書こう』と言いたい時は、どんな言葉になるのでしょうか?
Dulce (月曜日, 29 7月 2019 17:20)
『書こう』は『書く』の未然形+意思の助動詞『う』から成る語です。
まず意思の助動詞『う』を、古典文法における意思の助動詞に置き換えましょう。
『書こ』+『む』 →書こむ?
『書こ』+『べし』→書こべし?
この時点だと「いや、おかしいだろ」というのが感覚的におわかりになるかと思います。……そもそも五段活用にしかない『書こ』を使ってますからね。
そこで、当該の助動詞に接続する活用形を持ってきます。
『書く』は古典文法では、ご承知のように四段活用です。
助動詞『む』は未然形接続です。
四段未然 助動詞
『書か』+『む』→書かむ
助動詞『べし』は基本的には終止形接続です。
四段終止 助動詞
『書く』+『べし』→書くべし
以上より、
>古文で『書こう』と言いたい時は、どんな言葉になるのでしょうか?
への答は
『書かむ』、または『書くべし』となります。
ら (水曜日, 27 5月 2020 23:52)
なるほど
? (月曜日, 01 6月 2020 17:56)
口語文法に五段活用があるのに対して、なぜ古典文法には五段活用がないのでしょうか?
!! (月曜日, 15 6月 2020 12:17)
>口語文法に五段活用があるのに対して、なぜ古典文法には五段活用がないのでしょうか?
というよりも、「古典文法には五段活用がないのに、なぜ口語文法にはあるのか?」「古典文法の四段活用がどうして口語文法で五段活用になったのか?」が正しいでしょう。
これには、長い歴史による日本語の変遷と、話し言葉と書き言葉の接近が関係していると思われます。文法的には四段活用で良かったものが、長い年月を経て使っていくうちに五段のほうが使い勝手が良くなっていったからでしょう。これには同様に、下二段活用と上二段活用がそれぞれ下一段活用・上一段活用に統一されていった経緯が考えられます。
(例えば上二段活用「起く」は口語では「起きる」と上一段活用です)
文語文法は、その発生的経緯から関西方面の言語の影響力を強く受けていますが、日本国内の「グローバル化」が進んで様々な地域の言語と混ざり合い、徐々に変化していきます。江戸時代にもなると、書き言葉ですら、これまでの文語文法と東京方言の話し言葉が混ざったかのように書かれる記述も見られます。
かつては四段活用で使用されるはずの動詞が、長い年月を経て五段活用で使用してもよいように変化し、それが共通認識を持たれるようになったのではないかと推測できます。
ですから今後、将来的には四段でも五段でもないまた別な活用が認知度を得る未来もあるのかもしれません。
ฅ(ω (日曜日, 21 6月 2020 21:28)
書くを未然形にすると書かないになりますがなぜ書けないはダメなんですか?
ミヤマクワガタ (月曜日, 29 6月 2020 06:12)
「ず」の直前の音をしらべる方法の例外を教えてくださり、ありがとうございます。
vidam (月曜日, 10 8月 2020 17:34)
大変勉強になりました。
ありがとうございます。
m9(^Д^)プギャー (木曜日, 27 8月 2020 07:03)
長文書いてる人頭よくないか」」」
羅温 (月曜日, 31 8月 2020 16:57)
#8につきまして
「書けない」だと「不可能」の意味が付け加わってしまうからです。動詞を
未然形に変える「ず」をつける場合、「意思」的な意味で全体表現を考える(=書かない・書かず)といいと思います。