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動詞(11)活用の種類の見分け方

要点のまとめ

■ 動詞の活用の種類の見分け方

(1) 動詞を暗記するグループ

・カ変……来く

・サ変……す(為)・おはす

・ナ変……死しぬ・往いぬ(去いぬ)

・ラ変……あり・居をり・侍はべり・いまそかり

・上一段……着きる・似にる・煮にる・干ひる・見みる・射いる・鋳いる・居ゐる・率ゐる、など

・下一段……蹴ける

(2) 「ず」を付けて見分けるグループ

・四段……ア段音(-a)になる。

(例)「書く」+「ず」→「書か(ka)ず」

・上二段……イ段音(-i)になる。

(例)「起く」+「ず」→「起き(ki)ず」

・下二段……エ段音(-e)になる。

(例)「受く」+「ず」→「受け(ke)ず」

■ 活用語尾のかなづかいの見分け方

「イ」や「エ」と発音する活用語尾のかなづかいが紛らわしい(本文参照)。

解説

1 動詞の活用の種類の見分け方

動詞の活用の種類は全部で9種類あります。見分け方は、次のとおり。

(1) 動詞をそのまま暗記するグループ

動詞の活用の種類のうち、カ変・サ変・ナ変・ラ変・上一段・下一段の6種類は、所属する語の数がかぎられています。

したがって、まずこれらの種類に所属する語をそのまま覚えてしまいましょう。

動詞を暗記するグループ

・カ変……来く

・サ変……す(為)・おはす

・ナ変……死しぬ・往いぬ(去いぬ)

・ラ変……あり・居をり・侍はべり・いまそかり

・上一段……着きる・似にる・煮にる・干ひる・見みる・射いる・鋳いる・居ゐる・率ゐる、など

・下一段……蹴ける

アドバイス

次のようによく似ている紛らわしい動詞に注意しましよう。

①「来く」(カ変)と「来きたる」(ラ行四段)

②「為す」(サ変)と「為なす」(サ行四段)

③「死ぬ」(ナ変)と「死しす」(「す」の複合語・サ変)

④「居をり」(ラ変)と「居ゐる」(ワ行上一段)

⑤「見る」(マ行上一段)と「見ゆ」(ヤ行上二段)

⑥「用ゐる」(ワ行上一段)と「用ふ」(ハ行上二段)

(2) 「ず」を付けて見分けるグループ

上以外の活用の種類、すなわち四段・上二段・下二段については、動詞に「ず」を付けた形(未然形)にして直前の音によって見分けます。

※ 「ず」は、打消の助動詞で未然形に接続します。

「ず」を付けて見分けるグループ

・四段……ア段音(-a)になる。

(例)「書く」+「ず」→「書か(ka)ず」

・上二段……イ段音(-i)になる。

(例)「起く」+「ず」→「起き(ki)ず」

・下二段……エ段音(-e)になる。

(例)「受く」+「ず」→「受け(ke)ず」

2 活用語尾のかなづかいの見分け方

動詞の活用語尾は、発音が同じでも表記(かなづかい、活用の行)が異なる場合があるのでやっかいです。次のようにして見分けましょう。

(1) 「い・ゐ・ひ」の見分け方

連用形の活用語尾が「イ」と発音する動詞のかなづかいの見分け方は次のとおりです。

「い・ゐ・ひ」の見分け方

・「い」と表記(ヤ行)

 射いる・沃いる・鋳いる(ヤ行上一段)

 老おゆ・悔くゆ・報むくゆ(ヤ行上二段)

・「ゐ」と表記(ワ行)

 居ゐる・用もちゐる・率ゐる・率ひきゐる(ワ行上一段)

・「ひ」と表記(ハ行)

 上記以外の動詞(言ふ・思ふ・恋ふ、など)

(2) 「え・ゑ・へ」の見分け方

連用形の活用語尾が「エ」と発音する動詞のかなづかいの見分け方は次のとおりです。

「え・ゑ・へ」の見分け方

・「え」と表記(ア行・ヤ行)

 得う・心得こころう(ア行下二段)

 覚おぼゆ・聞きこゆ・見みゆ、など(ヤ行下二段)

・「ゑ」と表記(ワ行)

 植うう・飢うう・据すう(ワ行下二段)

・「へ」と表記(ハ行)

 上記以外の動詞(給ふ・与ふ・衰ふ、など)

古文単語

・「据う」(ワ下二)=置く

練習問題

問題

次の各動詞の活用の種類を答えなさい。

(1) 居り

(2) 往ぬ

(3) 率る

(4) 用ふ

(5) 報ゆ

(6) 見ゆ

【ヒント】

所属語の少ない活用の種類の場合は動詞をそのまま暗記して、それ以外の場合(四段・上二段・下二段)は「ず」を付けて直前の音によって見分けます。

正格活用は、活用の行も見分ける必要があります。

ちなみに、四段活用にア行・ヤ行・ワ行はありません。また、ア行は下二段動詞「得」「心得」だけです。

解答

(1) ラ行変格活用

(2) ナ行変格活用

(3) ワ行上一段活用

(4) ハ行四段活用

(5) ヤ行上二段活用

(6) ヤ行下二段活用

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