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単語の分類と品詞

要点のまとめ

■ 自立語と付属語

① 自立語じつりご……単独で文節を作ることができる語。

② 付属語ふぞくご……単独で文節を作ることができず、自立語の後に付く語。

■ 品詞

品詞ひんし……単語を文法上の性質によって分類したもの。動詞・形容詞・形容動詞・名詞・副詞・連体詞・接続詞・感動詞・助動詞・助詞の10種類。

■ 用言と体言

・用言ようげん……動詞・形容詞・形容動詞の3品詞。

・体言たいげん……名詞のこと。

■ 複合語・派生語

・複合語ふくごうご……二つ以上の単語が結び付いて一つの単語となったもの。

(例) 心単語+憂し単語→心憂し 複合語 

・派生語はせいご……単語に接頭語または接尾語が付いて一つの単語となったもの。

(例) 打ち接頭語+見る単語→打ち見る 派生語 

解説

1 自立語と付属語

単語は、自立語と付属語に大きく分けることができる。➡言葉の単位・文節相互の関係

(1) 自立語じりつご

自立語とは、単独で(それだけで)文節を作ることができる語をいう。

自立語は、文節の最初にあって、一つの文節に必ず一つだけある。

(2) 付属語ふぞくご

付属語とは、単独で文節を作ることができず、つねに自立語の後に付いて文節を作る語をいう。

付属語は、文節になかったり、また、一つの文節に二つ以上含まれることもある。

【図】自立語と付属語

自立語と付属語

2 品詞

単語は、自立語と付属語に大別されるだけでなく、活用があるかないか、どのような文節になるかなどを基準にしてさらに分けることができる。

そのようにして単語を文法上の性質によって分類したものを品詞ひんしと呼ぶ。

品詞の分類の基準

① 自立語か付属語か

② 活用があるかないか

③ どのような文節になるか

活用とは、文中での用法によって語の形が変化することをいう。自立語と付属語のどちらにも、活用する語と活用しない語が存在する。➡語の活用と活用形

*

品詞は全部で、動詞・形容詞・形容動詞・名詞・副詞・連体詞・接続詞・感動詞・助動詞・助詞の10種類ある。

すべての単語は、10品詞のうちのいずれかに分類される。これを図にしたものが品詞分類表である。

【図】品詞分類表

品詞分類表

動詞のなかには、終止形がウ段音ではなく、「り」で終わる例外もある(「あり」「居をり」「侍はべり」「いまそかり」などのラ行変格活用)。➡動詞(10)ラ行変格活用

代名詞を独立の品詞にして11品詞とする考え方もある。

アドバイス

古典文法を学ぶうえで特に重要な品詞は、助動詞と助詞である。この二つをマスターすることが古典文法の学習の半分くらいを占める。

しかし、その前提知識として、動詞・形容詞・形容動詞の3品詞(用言)も活用を中心にしっかり理解して覚えておく必要がある。

3 用言と体言

品詞分類表のなかの、動詞・形容詞・形容動詞に注目しよう。これら3品詞は、まとめて用言ようげんと呼ばれ、次のような性質をもつ。

用言の性質

① 自立語である。

② 活用がある。

③ 単独で述語になることができる。

用言に対して、体言たいげんという言葉もある。これは、名詞のことである。

用言と体言の二つの言葉はよく使われるので、ぜひ覚えておこう。

4 複合語・派生語

二つ以上の単語が結び付いて一つの単語となったものを複合語ふくごうごという。

 

「心単語」+「憂(う)し 単語 」→「心憂し 複合語 」

また、一つの単語に接頭語または接尾語が付いて一つの単語となったものを派生語はせいごという。

接頭語・接尾語は、それ自体は単語でなく、かならず他の語に付いて用いられる言葉。前に付くのが接頭語で、後に付くのが接尾語である。あわせて接辞せつじという。

「打(う)ち 接頭語 」+「見る単語」→「打ち見る 派生語 」

文や文節を単語に区切るとき、複合語・派生語は1語の単語として扱う。2語に区切らないように注意しよう。➡言葉の単位・文節相互の関係

練習問題

問題

次のそれぞれの語群の品詞名を答えなさい。

(1) 書く 起く 見る 来く

(2) 美し かなし さうざうし いみじ

(3) かく いと いまだ ゆめゆめ 

(4) けり ず べし ごとし

【ヒント】

解説中の品詞分類表を参考にして、それぞれの語群の品詞を考えてみよう。

(1)、(2)、(3)の語群は、それだけで文節を作ることができるので、自立語である。

(4)の語群は、それだけでは文節を作ることができないので、付属語である。

(1)、(2)、(4)の語群は、活用がある。

(3)の語群は、活用がない。

自立語で活用がある語のうち、動詞・形容詞・形容動詞のどれであるかは、終止形の語尾で判断する。

解答

(1) 動詞

(2) 形容詞

(3) 副詞

(4) 助動詞

コメント

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コメント: 1
  • #1

    来春から編入生(予定) (火曜日, 12 4月 2022 23:43)

    受験生です
    試験まで時間が無いなかで、とても参考になりました
    ありがとうございますm(_ _)m

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