■ 謙譲語の形
① 謙譲の本動詞
(例) 参りたりけるに、騒がしかりければまかづめり。<参上したのに、騒がしかったので退出するようだ。>
② 動詞+謙譲の補助動詞
(例) 竹の中より見つけきこえたりしかど <竹の中からお見つけしたけれども>
■ 謙譲の動詞一覧
解説中の表「謙譲の本動詞一覧」「謙譲の補助動詞一覧」を参照。
■ 謙譲語の形
① 謙譲の本動詞
(例) 参りたりけるに、騒がしかりければまかづめり。<参上したのに、騒がしかったので退出するようだ。>
② 動詞+謙譲の補助動詞
(例) 竹の中より見つけきこえたりしかど <竹の中からお見つけしたけれども>
■ 謙譲の動詞一覧
解説中の表「謙譲の本動詞一覧」「謙譲の補助動詞一覧」を参照。
謙譲語は、動作を受ける人に対して敬意を表す言葉である。➡敬語とその種類
謙譲語には、次の二つの形がある。
① 謙譲の本動詞
② 動詞+謙譲の補助動詞
(1) 謙譲の本動詞
動詞の中には、動作を表すだけでなく謙譲の意味をも含むものがある。そのような動詞を謙譲の本動詞という。
しめやかなる夕暮を推し量りて参りたりけるに、騒がしかりければまかづめり。
<物静かな夕暮れを思って参上したのに、騒がしかったので退出するようだ。>
・まゐる(参る)= 参上する(「行く」の謙譲語)・入内する・参詣する/差し上げる(「与ふ・す」の謙譲語)/召し上がる(「飲む・食ふ」の尊敬語)
・まかづ(罷づ)= 退出する(「去る・出づ」の謙譲語)
(2) 動詞+謙譲の補助動詞
補助動詞とは、動詞などに付いて意味を付け加える動詞をいう。
謙譲の補助動詞は、謙譲の意味を付け加える。「お~する(申し上げる)」「~いたす」などと訳す。
竹の中より見つけきこえたりしかど (竹取)
<竹の中からお見つけしたけれども>
・きこゆ(聞こゆ)=聞こえる・うわさされる/申し上げる(「言ふ」の謙譲語)/お~する(謙譲の補助動詞)
謙譲の本動詞・補助動詞の主なものとその訳し方を、それぞれの一覧表で確認しておこう。
【表】謙譲の本動詞
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謙譲語 | 訳語 | ふつうの語 |
たまはる(賜る・給る) | いただく | 受く |
まうづ(詣づ) | 参上する・伺う |
行く・来 |
まゐる(参る)* | ||
差し上げる | ||
まゐらす(参らす) | 与ふ | |
たてまつる(奉る)* | ||
まかる(罷る) まかづ(罷づ) |
(高貴な人の所から)退出する | 去る・出づ |
きこゆ(聞こゆ) きこえさす(聞こえさす) まうす(申す) |
申し上げる | 言ふ |
そうす(奏す)⁑ | (天皇・上皇に)申し上げる | 言ふ |
けいす(啓す)⁑ | (皇后・皇太子に)申し上げる | 言ふ |
うけたまはる(承る) | お聞きする・お受けする | 聞く・受く |
はべり(侍り) さぶらふ(候ふ)⁂ |
(高貴な方のおそばに)お仕えする・控える | あり・居り |
つかうまつる(仕うまつる) | お仕え申し上げる | 仕ふ |
(何かを)して差し上げる・いたす | す |
* 尊敬語としての用法もある。
⁑ これらの語は用いる相手が決まっており、絶対敬語と呼ばれる。
⁂ 「候ふ」の読み方……中古(平安時代)は「さぶらふ」、中世(鎌倉時代)は「さうろふ」。
*
【表】謙譲の補助動詞
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謙譲語 | 訳語 |
きこゆ(聞こゆ) きこえさす(聞こえさす) たてまつる(奉る) まゐらす(参らす) まうす(申す) |
お~する(申し上げる) ~いたす |
たまふ(給ふ)[下二段]* | ~ております |
* 四段活用の「たまふ(給ふ)」は尊敬語。
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