■ 「給ふ」
たまふ(給ふ)……尊敬語(四段)と謙譲語(下二段)の用法がある。
(例) 禄たまへりけり。<褒美をお与えになった。>〔尊敬・本動詞〕
(例) 入り給ひにけり。<お入りになってしまった。>〔尊敬・補助動詞〕
(例) 聞き給ふる。<(私は)聞いております。>〔謙譲・補助動詞〕
■ 「奉る・参る」
たてまつる(奉る)・まゐる(参る)……謙譲語と尊敬語の用法がある。
(例) 御薬奉れ。<お薬を召し上がれ。>〔尊敬・本動詞〕
(例) 物もつゆばかり参らず <食事もほんの少しも召し上がらない>〔尊敬・本動詞〕
■ 「侍り・候ふ」
はべり(侍り)・さぶらふ(候ふ)……謙譲語と丁寧語の用法がある。
(例) 上に候ふ御猫は <天皇にお仕えする御猫は>〔謙譲・本動詞〕
(例) あはれと思ふ人侍りき。<愛おしいと思う人がおりました。>〔丁寧・本動詞〕
(例) 思ひ嘆き侍るなり。<嘆き悲しんでございます。>〔丁寧・補助動詞〕
■ 「奏す・啓す」(絶対敬語)
奏す・啓す……皇室の人にだけ用いる(絶対敬語)。
(例) 答へて奏す <答えて天皇に申し上げる>
(例) ありつるやう啓すれば <あったようすを(中宮に)申し上げると>
コメントをお書きください
白河安安 (水曜日, 20 12月 2023 11:15)
わかりやすかった