古典文法
  • ホーム
  • 文法の基礎
  • 用言
  • 助動詞
  • 助詞
  • 識別
  • 敬語

ホーム > 敬語 > 丁寧語

丁寧語

要点のまとめ

■ 丁寧語

丁寧語の動詞は、「はべり(侍り)・さぶろふ(候ふ)」の二つ。

■ 丁寧の本動詞

<ある・いる>+丁寧語で、<あります・おります・ございます>と訳す。

(例) もとむるに、はべらぬことを <探してもおりませんことを>

(例) 物語の多くさぶらふなる <物語が多くございますそうですが>

■ 丁寧の補助動詞

動詞に付いて、<~ます・~(で)ございます>と訳す。

(例) 夕顔と申しはべる。<夕顔と申します。>

(例) もの申しさぶらはむ。<ものを申し上げましょう。>

解説

1 丁寧語の形

丁寧語は、話の聞き手(読み手)に対して敬意を表す言葉である。➡敬語とその種類

丁寧語の動詞は、「はべり(侍り)」と「さぶらふ(候ふ)」の2語しかない。

それぞれ次のような形で使われる。

丁寧語の形

① 丁寧の本動詞

② 動詞+丁寧の補助動詞

アドバイス

「はべり(侍り)」「さぶらふ(候ふ)」には、①丁寧の本動詞と②丁寧の補助動詞の用法のほかに、③謙譲の本動詞<お仕えする・伺候しこうする>の用法もある。どちらも謙譲の補助動詞の用法はないので、本動詞が謙譲語と丁寧語のいずれであるかを文脈から判断しよう。➡注意すべき敬語動詞

もっと知る

丁寧語は、中古(平安時代)には会話文だけで使われ、地の文にはない。中世(鎌倉時代以降)には、地の文でも使われるようになった。

なおね「さぶらふ(候ふ)」は、中世(鎌倉時代)になると、「さうろふ(候ふ)」に変化した。

2 丁寧の本動詞

「はべり(侍り)」「さぶらふ(候ふ)」は、<ある・いる>という動作を表すとともに、丁寧の意味をも含んで使われることがある。

この用法を丁寧の本動詞といい、<あります・おります・ございます>などと訳す。

この御鷹の、もとむるに、はべらぬことを、いかさまにかしはべらむ。(大和)

<この御鷹が探してもおりませんことを…>

物語の多くさぶらふなる、あるかぎり見せ給たまへ。(更級)

<物語が多くございますそうですが、…>

【表】丁寧の本動詞

横にスクロール➡

尊敬語 訳語 ふつうの語
はべり(侍り)
さぶらふ(候ふ)
あります
おります
ございます
あり・居をり

3 丁寧の補助動詞

「はべり(侍り)」「さぶらふ(候ふ)」は、動詞などに付いて丁寧の意味を付け加えることもある。

この用法を丁寧の補助動詞といい、<~ます・~(で)ございます>などと訳す。

かの白く咲けるをなむ、夕顔と申まうしはべる。(源氏)

<…夕顔と申します。>

もの申しさぶらはむ。おどろかせたまへ。(宇治)

<ものを申し上げましょう(=もしもし)。…>

【表】丁寧の補助動詞

横にスクロール➡

丁寧語 訳語
はべり(侍り)
さぶらふ(候ふ)
~ます
~でございます

練習問題

準備中

コメント

コメント投稿に関する注意事項

コメントをお書きください

コメント: 0
  • 敬語とその種類
  • 尊敬語
  • 謙譲語
  • 丁寧語
  • 注意すべき敬語動詞
  • 注意すべき敬語法
サイトマップ
ログアウト | 編集
  • ホーム
    • コメント投稿に関する注意事項
  • 文法の基礎
    • 歴史的仮名遣い
    • 言葉の単位・文節相互の関係
    • 単語の分類と品詞
    • 語の活用と活用形
  • 用言
    • 動詞(1)活用の種類
    • 動詞(2)四段活用
    • 動詞(3)上二段活用
    • 動詞(4)下二段活用
    • 動詞(5)上一段活用
    • 動詞(6)下一段活用
    • 動詞(7)カ行変格活用
    • 動詞(8)サ行変格活用
    • 動詞(9)ナ行変格活用
    • 動詞(10)ラ行変格活用
    • 動詞(11)活用の種類の見分け方
    • 形容詞(1)ク活用とシク活用
    • 形容詞(2)語幹の用法
    • 形容動詞―ナリ活用とタリ活用
  • 助動詞
    • 助動詞の分類
    • 「き・けり」
    • 「つ・ぬ」
    • 「たり・り」
    • 「る・らる」
    • 「す・さす・しむ」
    • 「む・むず」
    • 「らむ」
    • 「けむ」
    • 「べし」
    • 「まし」
    • 「らし」
    • 「めり」
    • 「なり(伝聞・推定)」
    • 「ず」
    • 「じ」
    • 「まじ」
    • 「なり・たり(断定)」
    • 「まほし・たし」
    • 「ごとし」
  • 助詞
    • 助詞の分類
    • 格助詞(1)用法
    • 格助詞(2)「の・が」
    • 格助詞(3)「にて・して」
    • 接続助詞(1)用法
    • 接続助詞(2)「ば・とも・ど・ども」
    • 接続助詞(3)「が・に・を・もの―」
    • 接続助詞(4)「て・して・で・つつ・ながら」
    • 副助詞(1)用法
    • 副助詞(2)「だに・さへ・し」
    • 係助詞(1)係り結びの法則
    • 係助詞(2)結びの省略・消滅
    • 係助詞(3)「ぞ・なむ・こそ」
    • 係助詞(4)「や・か」
    • 終助詞
    • 間投助詞
  • 識別
    • 「なむ」の識別
  • 敬語
    • 敬語とその種類
    • 尊敬語
    • 謙譲語
    • 丁寧語
    • 注意すべき敬語動詞
    • 注意すべき敬語法
  • トップへ戻る