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終助詞

要点のまとめ

■ 終助詞とは

終助詞……文末にあって意味を添える。

■ 終助詞の用法

① 願望

・自己の願望<~たい(ものだ)>……「ばや」(未然形接続)「てしが」「てしがな」「にしが」「にしがな」(連用形接続)

(例) いかで見未然ばや。<なんとかして見たい。>

(例) かぐや姫を得連用てしがな、<かぐや姫を自分のものにしたいものだ、>

・他への願望<~てほしい>……「なむ」(未然形接続)

(例) 惟光とく参ら未然なむ。<惟光が早く参上してほしい。>

・願望<~が(で)あればなあ>……「もが」「もがな」「がな」(体言・連用形接続)

(例) 心あらん友体言もがな。<情趣を解する友がいたらなあ。>

② 詠嘆<~なあ・~ことよ>……「か」「な」「かな」「かも」「は」

(例) 遠くも来にけるかな。<遠くに来てしまったなあ。>

③ 念押し<~よ・~ね>……「かし」

(例) かうてもいますがりなむかし。<このようにいらっしゃることができるよ。>

④ 禁止<~な>……「な」「そ」

(例) 月な見給ひそ。<月をご覧になるな。>

解説

1 終助詞とは

終助詞とは、文末にあって意味を添える働きをする助詞をいいます。

終助詞は、その文の内容についての話し手の感情(願望・詠嘆)を表したり、聞き手への働きかけ(念押し・禁止)を表したりします。

終助詞に分類される主な語には、次のようなものがあります。

終助詞の種類

・「ばや・てしが・てしがな・にしが・にしがな・なむ・もが・もがな・がな」(願望)

・「か・な・かな・かも・は」(詠嘆)

・「かし」(念押し)

・「な・そ」(禁止)

アドバイス

終助詞に属する語は、上のように用法によってグループ分けすることができます。願望のグループでは、接続に注意しましょう(後述)。

2 終助詞の用法

終助詞の主な用法は、願望・詠嘆・念押し・禁止の四つです。

(1) 願望

願望の用法は、助詞によってニュアンスの違いがあります。

「ばや」「てしが」「てしがな」「にしが」「にしがな」は、自己(話し手)の願望を表し、<~たい(ものだ)>などと訳します。「ばや」は未然形に付き、「てしが」などは連用形に付きます。

世の中に物語といふもののあんなるを、いかで見未然形ばやと思いつつ、(更級)

<…なんとかして見たいとしきりに思って、>

いかでこのかぐや姫を得連用形てしがな、見連用形てしがなと、(竹取)

<どうにかしてこのかぐや姫を自分のものにしたいものだ、妻にしたいものだと、>

「なむ」は、他への願望を表し、<~てほしい>と訳します。未然形に付きます。

「惟光これみつとく参ら未然形なむ」とおぼす。(源氏)

<「惟光が早く参上してほしい」とお思いになる。>

「もが」「もがな」「がな」は、実現がむずかしい願望を表し、<~が(で)あればなあ>と訳します。体言(名詞)や連用形に付きます。

心あらん友体言もがなと、都恋しうおぼゆれ。(徒然)

<情趣を解する友がいたらなあと、…>

(2) 詠嘆

「か」「な」「かな」「かも」「は」は、詠嘆(感動)を表し、<~なあ・~ことよ>などと訳します。

限りなく遠くも来にけるかな。(伊勢)

<この上なく遠くに来てしまったなあ。>

(3) 念押し

「かし」は、念を押す・確認することを表し、<~よ・~ね>などと訳します。

翁のあらむ限りは、かうてもいますがりなむかし。(竹取)

<…このように(独身で)いらっしゃることができるよ。>

(4) 禁止

「な」「そ」は、禁止を表し、<~(する)な>と訳します。

「そ」は、「な~そ」の形で用いられ、活用語の連用形(カ変・サ変は未然形)が間に入ります。(「な」は、副詞で、省略されることもあります。)

この玉取り得えでは、家に帰り来くな。(竹取)

<…家に帰って来るな。>

月な副詞見給ひ連用形そ。(竹取)

<月をご覧になるな。>

アドバイス

終助詞「な」には、詠嘆と禁止の2種類があります。

詠嘆の「な」はそれを除いても文意が変わりませんが、禁止の「な」はそうではありません。

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