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格助詞(1)用法

要点のまとめ

■ 格助詞とは

格かく助詞……それを含む文節と後の文節との関係(格)を示す。体言や体言に準ずる語(活用語の連体形など)に付く。

■ 格助詞の用法

解説中の表「格助詞の用法」を参照。

解説

1 格助詞とは

格助詞は、それを含む文節が後の文節に対してどのような関係になっているか(格)を示す働きをする助詞です。

格助詞は、体言や体言に準ずる語に付きます。

体言に準ずる語というのは、主に活用語の連体形のことです。

もっと知る

たとえば、「猫が 見る。」という文と、「猫を 見る。」という文をくらべると、文の意味に違いがあります。前者は「猫」が「見る」の主体となっているのに対して、後者は「猫」が「見る」の対象となっています。

このような違いが生じるのは、「が」には主語を示す働きがあるのに対して、「を」には動作の対象(目的語)を示す働きがあることによります。

「が」や「を」のように語と語の意味関係(格)を示す働きをする語が格助詞です。

アドバイス

格助詞に分類される語は、「が・の・を・に・へ・と・より・から・にて・して」であることを押さえておきましょう。

2 格助詞の用法

格助詞は、その一つひとつに複数の用法があります。

次の表は、主な格助詞の用法をまとめて示したものです。

【表】格助詞の用法

語 用法
が

連体格<~の>

主格<~が>

同格<~で・~であって>

体言の代用<~のもの>

の

連体格<~の>

主格<~が>

同格<~で・~であって>

体言の代用<~のもの>

比喩<~のように>

を

対象<~を>

通過点<~を通って>

起点<~から>

に

場所・時間<~に>

帰着点<~に>

動作の対象<~に>

使役・受身の相手<~に>

目的<~しに>

原因・理由<~のために・~によって>

変化の結果<~に・~と>

比較の基準<~に比べて>

尊敬する主語<~におかれては>

へ

方向<~へ>

帰着点<~へ>

語 用法
と

共同の相手<~と一緒に>

引用<~と>

変化の結果<~と>

比較の基準<~と比べて>

比喩<~のように>

より

起点<~から>

通過点<~を通って>

手段・方法<~で・~によって>

比較の基準<~より>

即時<~するやいなや>

から

起点<~から>

通過点<~を通って>

手段・方法<~で・~によって>

原因・理由<~によって>

にて

場所・時間<~で>

手段・材料<~で>

原因・理由<~によって>

資格<~として>

して

手段・方法<~で>

共同の相手<~と>

使役の相手<~に命じて>


アドバイス

格助詞は、現代語(口語)と語や用法がほぼ同じものが多いので、現代語にない語や用法に的を絞って押さえましょう。

古文に特有の格助詞は、「にて」「して」の二つです。他は現代語でも使われる格助詞ですが、その用法が現代語にはないものがあります(上の表の太字部分)。

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