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「めり」

要点のまとめ

■ 「めり」の意味

① 推定<~ようだ・~ように見える>……目で見たこと(視覚情報)からの推測。

(例) 花奉るめり。<花をお供えするようだ。>

② 婉曲<~ようだ>

(例) 同じ所に居ぬめり。<同じところに座ったようだ。>

■ 「めり」の活用

「めり」:ラ変型

未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
〇 (めり) めり める めれ 〇

■ 「めり」の接続

活用語の終止形に付く。ただし、ラ変型活用語には連体形に付く。

解説

1 「めり」の意味

「めり」は、推量の助動詞一つで、推定・婉曲の意味を持ちます。

(1) 推定

推定の「めり」は、目で見た事柄にもとづいて推測することを表し、<~ようだ・~ように見える>と訳します。

簾すだれすこし上げて、花奉たてまつるめり。(源氏)

<…花をお供えするようだ。>

もっと知る

「めり」は、「見みあり」が変化して助動詞となったものと言われます。したがって、目で見たこと(視覚情報)からの推測を表すときに用いられます。

これに対して、伝聞・推定の「なり」は、「音ねあり」を語源とし、耳で聞いたこと(聴覚情報)からの推測を表します。

(2) 婉曲えんきょく

婉曲は、確実なことをあえて断定を避けて遠回しに言うことです。ふつう<~ようだ>と訳しますが、訳さないときもあります。

嫗おうなと行き会ひて同じ所に居ゐぬめり。(大鏡)

<…同じところに座ったようだ。>

2 「めり」の活用

「めり」は、動詞のラ行変格活用と同じ活用をします(ラ変型)。➡動詞(10)ラ行変格活用

【表】「めり」の活用表

基本形 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
めり 〇 めり めり める めれ 〇

3 「めり」の接続

「めり」は、活用語の終止形に付きます。

ただし、ラ変型活用語に付く場合は、その終止形ではなく、連体形に付きます。

ラ変型活用語とは、①ラ変動詞、②形容詞、③形容動詞、④ラ変型の助動詞をいいます。

もっと知る

「めり」がラ変型活用語の連体形(「—る」)に接続する場合、撥はつ音便になって「―んめり」と発音することが多くなります。

そして、平安時代には「ん」は表記されないことがふつうなので、「ん」が省略された形になります。その場合でも、読むときには「ん」を補って読みます。

・ある+めり→あんめり→あめり(アンメリ)

・なる+めり→なんめり→なめり(ナンメリ)

・ざる+めり→ざんめり→ざめり(ザンメリ)

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