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ホーム > 助動詞 > 「まほし・たし」

「まほし・たし」

要点のまとめ

■ 「まほし・たし」の意味

希望<~たい・~てほしい>

(例) つづきの見まほしくおぼゆれど、<続きを見たいと思われるけれど、>

(例) 家に有りたき木は、松・桜。<家にあってほしい木は、松と桜である。>

■ 「まほし・たし」の活用

「まほし」:形容詞シク活用型

未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
(まほしく)
まほしから
まほしく
まほしかり
まほし
〇
まほしき
まほしかる
まほしけれ
〇
〇
〇

「たし」:形容詞ク活用型

未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
(たく)
たから
たく
たかり
たし
〇
たき
たかる
たけれ
〇
〇
〇

■ 「まほし・たし」の接続

「まほし」:活用語の未然形に付く。

「たし」:活用語の連用形に付く。

解説

1 「まほし・たし」の意味

「まほし」「たし」は、ともに《希望》を表す助動詞で、<~たい・~てほしい>と訳します。

紫のゆかりを見て、つづきの見まほしくおぼゆれど、(更級)

<…続きを見たいと思われるけれど、>

家に有りたき木は、松・桜。(徒然)

<家にあってほしい木は、松と桜である。>

もっと知る

「まほし」は、上代(奈良時代)の「まくほし」から成立した語で、中古(平安時代)に盛んに用いられました。そして、中世(鎌倉時代)からは「たし」がそれに代わって用いられるようになりました。「たし」は、現代語の助動詞「たい」の形で残ります。

2 「まほし・たし」の活用

「まほし」は形容詞のシク活用と同じ活用をし(シク活用型)、「たし」は形容詞のク活用と同じ活用をします(ク活用型)。➡形容詞(1)ク活用とシク活用

【表】「まほし」の活用表

基本形 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
まほし (まほしく)*
まほしから
まほしく
まほしかり
まほし
〇
まほしき
まほしかる
まほしけれ
〇
〇
〇

* 未然形「まほしく」は、「まほしくは」の形で認める考え方があります。

【表】「たし」の活用表

基本形 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
たし (たく)
たから
たく
たかり
たし
〇
たき
たかる
たけれ
〇
〇
〇

3 「まほし・たし」の接続

「まほし」は活用語の未然形に付き、「たし」は活用語の連用形に付きます。

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