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「ず」

要点のまとめ

■ 「ず」の意味

打消うちけし<~ない>

(例) 京には見えぬ鳥なれば、みな人見知らず。<都では目かけない鳥なので、誰も知らない。>

■ 「ず」の活用

「ず」:特殊型

未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
(ず)
ざら
ず
ざり
ず
〇
ぬ
ざる
ね
ざれ
〇
ざれ

■ 「ず」の接続

活用語の未然形に付く。

解説

1 「ず」の意味

「ず」は、打消うちけしの助動詞です。

打消は、そうでないと言うこと(否定)で、<~ない>と訳します。

京には見えぬ鳥なれば、みな人見知らず。(伊勢)

<都では目かけない鳥なので、誰も知らない。>

2 「ず」の活用

「ず」は、特殊な活用のしかたをします(特殊型)。「ず」の活用は、そのまま覚えましょう。

「ず」の活用のうち、「(ず)・ず・ず・ぬ・ね・〇」の系列を本活用といい、「ざら・ざり・〇・ざる・ざれ・ざれ」の系列を補助活用といいます。

「ず」の直後に助動詞が付くときは、補助活用が用いられます。(断定の「なり」だけは本活用に付く。)

【表】「ず」の活用表

基本形 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
ず (ず)
ざら
ず
ざり
ず
〇
ぬ
ざる
ね
ざれ
〇
ざれ

本活用は、正確には、ナ行の系列と「ず」の系列に分けられます。つまり、「ず」の活用は、三つの系列からなります。

なお、補助活用(ラ変型)は、「ずあり」が変じてできたものです。

もっと知る

未然形の「ず」は、かつて「ずは」の形でのみの用法として認められてきました。

「ずは」は、<もし~なかったならば>と訳され、「ず」の未然形に接続助詞「ば」(清音化されて「は」)が付いた形とされました。

・…花しちらずは千世もへぬべし(古今)

<もし花が散らなかったならば、きっと千年も時が過ぎるにちがいない>

しかし、現在ではこれを、「ず」の連用形に係助詞「は」が付いた形として説明することがふつうです。その場合、未然形の「ず」は存在しないことになります。

未然形「ず」がカッコ付きなのは、以上のような事情によります。形容詞の未然形「く」「しく」がカッコ付きなのも同様の理由によります。

3 「ず」の接続

「ず」は、活用語の未然形に付きます。

アドバイス

打消の助動詞「ず」の連体形と、完了の助動詞「ぬ」の終止形は、同じ「ぬ」です。また、「ず」の已然形と「ぬ」の命令形も、同じ「ね」です。

したがって、「ぬ」「ね」が《打消》と《完了》のどちらであるかの見分けが問題になります。その際、それらの接続(直前の語の活用形)に注目しましょう。

未然形接続なら《打消》の助動詞「ず」、連用形接続なら《完了》の助動詞「ぬ」です。

練習問題

準備中

コメント

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コメント: 2
  • #1

    あ (木曜日, 05 5月 2022 21:07)

    とてもわかりやすいです。

  • #2

    ダークネス山本 (金曜日, 23 12月 2022 11:08)

    授業中づづづ

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