要点のまとめ
■ 助動詞「けむ」
(1) 意味
① 過去推量(~ただろう)
② 過去の原因推量((どうして)~たのだろう・(それだから)~たのだろう)
③ 過去の伝聞・婉曲(~たとかいう・~たような)
(2) 活用 四段型
未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
○ | ○ |
けむ (けん) |
けむ (けん) |
けめ | ○ |
(3) 接続 連用形
活用語の連用形に付く。
推量の助動詞の一つ「けむ」について、その意味・活用・接続を見ていきましょう。
「む」が未来の推量、「らむ」が現在の推量をあらわす助動詞であるのに対して、「けむ」は過去の推量をあらわす助動詞です。活用のしかたは、「む」「らむ」と同じです。
「らむ」が現在の事柄についての推量(~だろう)をあらわしたのと対照的に、「けむ」は基本的に過去の事柄の推量(~ただろう)をあらわします。
(1) 過去推量
過去推量は、過去の事柄についてそうだっただろうと推量する意味です。<~ただろう>と訳します。
【例】昔こそ難波田舎と言はれけめ今は都引き都びにけり (万葉)
<昔こそ難波は田舎であると言われただろう(が、)――>
「難波が田舎と言われた」というのは、「都らしくなった」現在の状態から見て、過去(昔)はそうだっただろうと想像している事柄です。
(2) 過去の原因推量
過去の原因推量は、過去の事実についてその原因・理由を推測するという意味です。
疑問語とともに用いられることが多く、<(どうして)~たのだろうか>などと訳します。
【例】見渡せば山もとかすむ水無瀬川夕べは秋となに思ひけむ (新古今)
<――夕べ(の趣)は秋(にかぎる)とどうして思ったのだろうか>
「夕べは秋と思った」というのは、話し手が過去に経験した事実です。その事実について、話し手がどうしてそうだったのだろうかと原因を推量しています。
(3) 過去の伝聞・婉曲
過去の伝聞は、過去の事柄を他人から聞いたこととして述べる意味で、<~たとかいう(ことだ)>などと訳します。
【例】吾を待つと君が濡れけむあしひきの山のしづくに成らましものを (万葉)
<私をまってあなたが濡れたとかいう――>
婉曲は、物言いを柔らかくするするために推量の言い方をする表現方法です。現代語にするときの一般的な訳し方は<~ような>ですが、それだと不自然になるような場合には無理に訳する必要はありません。
【例】向かひゐたりけむありさま、さこそ異様なりけめ。(徒然)
<(医者と)向かい合っていた(ような)有様は、――>
伝聞・婉曲の「けむ」の多くは連体形となります。連体形は、直後に名詞がくるか、または名詞を補うことができる形をとります。
「けむ」は、動詞の四段活用と同じような活用のしかたをします(四段型)。ただし、未然形・連用形・命令形はありません。
基本形 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
けむ (けん) |
○ | ○ |
けむ (けん) |
けむ (けん) |
けめ | ○ |
「けむ」の活用は、「む」の活用に「け」をつけ加えたものになります。「らむ」を含めた三つの助動詞の活用をセットにして覚えておくとよいでしょう。
なお、「けむ」は中世(鎌倉時代以降)になってから、「けん」と表記されるようになります。
「けむ」は、活用語の連用形に付きます。
【考え方】
【答】
コメントをお書きください
っw (月曜日, 13 4月 2020 17:28)
うううう
ヒカル (火曜日, 14 4月 2020 22:09)
わかりやすくて、よかったです。
あ (日曜日, 03 5月 2020 16:10)
伝聞とわん曲の、見分けかたが知りたい
訳さないでも、これだからこうなると言う論理的なやり方が知りたい
「あ」さんへ (月曜日, 21 9月 2020 20:15)
わん曲?そんなの聞いたことはありません!wwwwww
えんきょくって読むんでちゅよ
がんばれ!
rr (火曜日, 27 10月 2020 12:26)
r
「あ」さんのアンチへ (水曜日, 02 12月 2020)
別に間違っていいやん
間違って習得するのが勉強なんだから
しかも、わんきょくも婉曲も
どうせ、将来使わんちゃけ、この漢字はこういう意味なんだーってとらえるだけで、十分だと思うけど?
しかも、高校になって1番最初の関門なんだから、そこをどう頑張らせるかをしっかり見極めて発言しないと!!